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「売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則」から学ぶ④ 心の中へ植えつける

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今回はマーケティング本の名著に上げられる「売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則」を読んでの我々なりの解釈を紹介します。

売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則

売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則

  • 作者: アルライズ,ジャックトラウト,Al Ries,Jack Trout,新井喜美夫
  • 出版社/メーカー: 東急エージェンシー出版部
  • 発売日: 1994/01/01
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法則が示す心の中はどういうものか

本書の法則で示される全体イメージは以前提示しました。

 今回はこの左側部分のマーケティング活動を法則群ではどのように示しているか見ていきます。前回までは心模様に関する補足でしたが、今回はそれらを踏まえてマーケティング活動ついて説明します。主に触れる法則としては以下になります。

  • 第1章:一番手の法則
  • 第5章:集中の法則
  • 第9章:対立の法則
  • 第14章:属性の法則

どのようにして心の中へ入り込むか

これまで顧客の心模様として、その中がどのようになっているか法則の内容を確認してきました。例えば以下のようなものです。

  • カテゴリーされ、その中でランクがある
  • フレーズと結びついている
  • 普段は上記のようになってなくとも、購買段階の中でより明確になる

ここからはどのような活動によって顧客に認知させ、心の中に入り込んでいくかを各法則に沿って見ていきます。マーケティング活動において強力な効果を得るには、見込客の心の中に一つの言葉を植えつけることだと言っています。

ただ一個の言葉、ないしはコンセプトに焦点をしぼり込むことによって、心の中にそれを”焼き付ける”のである。これこそ究極のマーケティングにおける添え物だ。
(第5章:集中の法則 P50)

一つのフレーズに焦点をしぼり込み、見込客の心の中に製品と一緒に結びつけることで大きな成功を得られます。ただし独占の法則を忘れないようにしましょう。競合製品とそのフレーズが結びついている場合、自社製品にそのフレーズを結びつけようとするマーケティング活動は大抵の場合、徒労になりますので注意が必要です。
逆に競合のいないカテゴリーで最初に参入することはフレーズを結びつけるのに有効な手段です。

マーケティングの基本的な課題は、あなたが先頭を切れる分野を創造することである。
これが「一番手の法則」なのだ。他に優っていることよりも、先頭を切ることのほうが大切なのだ。
(第1章:一番手の法則 P12)

これは先行者利益によりマインドシェアを獲得するという言い方もできるでしょう。カテゴリーの法則では新しいカテゴリーを作り出して、その中で一番手になれとも言っていました。
一番手になれたとしても大抵の場合は競合が現れるでしょう。競合製品がある場合はどのようにしたら良いか。独占の法則では競合のフレーズは使用できないとのことでしたが、それがナンバーワンのフレーズであれば、その反対のものを見つけるのが良いと言っています。

あなたがしなければならないことは、ナンバーワンのエッセンスを見つけ出し、顧客にそれと反対のものを提供することである(言い替えれば、相手の上を行こうとしないで、相手との差別化を図るのである)。
(第9章:対立の法則 P90)

ナンバーワンと対立するイメージを作りだして、対抗することで協力のナンバーツーの座を築くことができると言っています。ナンバーワンを選択しなかった場合、その反対のイメージのナンバーツーを選択することが多くなるので、その他の企業から機械を奪うということになるのです。
ただ世の中の大半はトップツーではないでしょう。その場合はどうすれば良いでしょうか。まずはしぼり込みを行い一番になれるカテゴリーを見つける。見つからなかったり市場が小さい場合、同じカテゴリーのナンバーワンを分析しいくつかの属性から反対になれるものを見つけ出しましょう。

あなたは独自の言葉を見つけ出して顧客に植え付けなければらない。何か別の属性を探し出さなくてはならないのである。
(第14章:属性の法則 P148)

ナンバーワンと張り合えるような正反対の属性を探してみるほうが、はるかに利口なやり方だ。ここでのキーワードは「正反対の」である。「同じような」ではだめだ。
(第14章:属性の法則 P148)

ナンバーワンのフレーズに限らずナンバーワンの属性から、正反対になれるもので自社より上の競合が独占していないフレーズを見つけ出します。
これは何をやろうとしているかというと、差別化と見込客へのフレーズの植え付けです。トップツーはそのカテゴリーの有利なフレーズを独占している場合がほとんどでしょうから、それら以外で何か見顧客に植えつけるには武器になる属性を見つけ差別化するように言っています。

どのようにしてフレーズを見つけるか

これらの法則ではそのカテゴリーの顧客の心模様がどうなっているかを知ることが必要だとい言っています。それはいわば競合の分析でしょう。競合製品がどのように位置し、どのフレーズと結びついてるか、これらがわかっていないと自社製品をどうすべきか間違ったことをしてしまうでしょう。

既存製品か新製品か

カテゴリーの状況が把握できたら、自社製品について考えていきます。既存製品か新製品かで選択肢の幅が違うでしょう。既存製品では既にカテゴリー内で何らかのポジションにいるでしょうから、それを活かすか、それに引っ張られることになるでしょう。新製品であればカテゴリーを含めて自由に検討できますが、活かせる資産がないとも言えます。
競合に利用されてるために使用できないフレーズを把握しつつ、顧客や自社の価値の内容を絞り込んでいきます。

マーケティングの基本は、焦点を絞り込むことである。活動の領域を絞れば絞るほど、立場が強力になる。何もかも追い掛けているようでは、結局なにもモノにはできない。
(第5章:集中の法則 P57)

焦点を絞り込んでいき、効果のあるフレーズを見つけ出します。このあたりの手法はコピーライティングである程度確立されているので、それらを参考にするのが良いでしょう。機会あれば具体的な手法は別途紹介していきます。

法則で書かれたことのその他考察

人間というのは、いま現在所有しているものにこだわる傾向がある。
(第1章:一番手の法則 P16)

人間は自分の決断した行動は正しかったと思いたい傾向があります。
例えば、ある製品を購買する際に値段のみで判断し最安値(と思われると決断した状態)で購入した場合、購入した後にも買った値段より安くなってないか確認してしまう傾向があるという調査結果があります。

一番手の企業はそのカテゴリーを象徴する言葉を植えつける。
(第5章:集中の法則 P51)

純粋想起と言いまして、特定のカテゴリーからブランド名を連想されるようになっている強力なフレーズを結びつけている状態となります。Web関連で代表例を上げるとWeb検索⇒グーグル、SNS⇒フェイスブック、動画⇒ユーチューブ、Web地図検索⇒グーグルマップ、レシピ検索⇒クックパッド、レストラン検索⇒食べログ、家電の比較⇒価格コムなどです。
Web検索ではグーグルが圧倒的で、「ググる」という言葉まで使われています。

ある特定の商品カテゴリーの顧客層をみると、およそ二種類の顧客に大別できる。ナンバーワン商品を買いたがる層と、逆に買いたがらない層とである。
(第9章:対立の法則 P91)

マーケティングとは多くの場合、正当性をめぐる戦いである。最初にわれこそ本物なりのコンセプトをつかんだブランドが、多くは競合相手を偽物呼ばわりできるのである。
(第9章:対立の法則 P96)

例えばクックパッドはSEOにも非常に強く料理名で検索すると必ず上位表示されますが、一部の人々から素人のレシピが表示されるのは邪魔だという声があります。これがナンバーワンを買いたがらない層です。レシピをWeb検索するのは料理機会が多い主婦層が多いでしょうから、正しい作り方より簡単であったりアレンジした作り方を求めます。このような顧客にはCGMサイトであるクックパッドのレシピは非常に有用です。逆に正しい作り方を求める顧客にとっては不要なサイトとなります。
法則に沿ってクックパッドの競合が行うべき活動を考察すると、「本物のレシピ」「正しいレシピ」「プロのレシピ」といったフレーズを獲得することが考えられます。われこそは正当なレシピを提供するサイトであるというコンセプトをつかむのです。ただしこれを実現するにはWeb検索してクックパッドと同じように上位表示されるようになる必要があるのでかなり困難な道のりでしょう。逆に考えると、クックパッドはそれだけ大きな障壁を作っていると言えます。この壁を乗り越えるため、最近は動画によるアプローチがありますがどうなるでしょうか。
逆にナンバーワンであるクックパッドが行うべき活動を考察するとどうでしょうか。動画に参入するという話があるのでそこには対応するようです。「本物のレシピ」というフレーズのイメージを考えると、「簡単」「アレンジ」というフレーズを独占しているクックパッドとは別のブランドを築くのが良いでしょう。既存のブランドとは逆のフレーズとなるので、法則に従うと別ける方が賢明でしょう。ただし新しいブランドを築くにはコストがかかりますし、カニバリを恐れずに進めるかが鍵になりそうです。
「本物のレシピ」というフレーズを独占するにはどうすれば良いでしょうか。プロの料理人がレシピをただ教えるというのは、誰でも思いつくアイデアで競合も同じことをするので独占までいくのは長くかかりそうです。色々なプロの料理人を起用して物量で勝負するか、他に何かの要素を加えるか・減らすか、他にも色々考えられますがポジションによって取れる選択が変わってくるでしょう。

まとめ

今回は「売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則」の心の中へフレーズを植えつける法則の紹介でした。

以上

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