商売力開発ブログ

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【更新情報】ホームパネルの設定

※Project-Alphaは2019年12月をもって、サービスの提供を終了します。

今回は我々が開発しているプロジェクト管理ツールProject-Alpha(プロジェクトアルファ)を更新したので内容を説明します。

更新情報

更新内容

プロジェクトのホーム画面にいくと、いくつかのパネルが表示されるようになっています。今回の更新により、このホーム画面に表示するパネルを自由に選択できるようになりました。

またプロジェクトのホーム画面のパネルは移動・サイズ変更ができるようになっており、その変更した設定は自動で保存されます。

更新画面など

例えば、プロジェクトのホーム画面が以下のようになっているとします。

このとき、プロジェクト設定からホーム設定を選択して状態を確認します。

確認すると、ガントチャートの「進捗表」、「サマリ表」、「日次累計工数グラフ」、そして「タスク一覧表」が選択されています。またルートフォルダは常に表示されるので、これらがホーム画面に表示されています。

このホーム設定の表示を以下のように変更して更新してみます。

更新後のプロジェクトのホーム画面は以下のようになります。ホーム設定の変更が反映されています。

これらの表示されるパネルは対象のコンテンツに対して、更新可能か参照の権限がある場合のみ表示されます。権限なしの場合はパネルは表示されません。

ホーム画面でのパネルの移動とサイズ変更

ホーム画面で表示されるパネルは、その移動やサイズ変更が可能です。
以下ではパネルの位置を移動させたり、サイズを変更すると自動で配置が切り替わる動きが確認できます。

表示するパネルの列数を変更することで、サイズの変更単位が変わります。以下では3列から4列の表示に変更した場合の状態になります。

まとめ

今回は更新情報の内容の説明でした。

以上

【関連するリンク】

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「レトリックと詭弁」から議論術を考える①

今回は香西秀信「レトリックと詭弁」から議論術を考えていきます。 

レトリックと詭弁 禁断の議論術講座 (ちくま文庫 こ 37-1)

レトリックと詭弁 禁断の議論術講座 (ちくま文庫 こ 37-1)

 

「護心術」としての議論術

著者はまえがきの中で、「護心術」という言葉を用いて議論術を学ぶことの意義を説いてます。人間は論理的な生き物であり理屈を通すことを重要視するがゆえに、自分が論理で説得されることを嫌うのです。

だから最も重要な論理で、理詰めで説得されることをあたかも精神の敗北のように感じ、それを自分で認めたくないわけです。
(まえがき: P7)

逆に議論に勝つことが喜びをもたらすのであれば、議論をむやみに他人に吹っかけてくる人間が当然います。論破とか言ってくるタイプの人ですね。このような人々から、言葉によって自分の心を護るために議論術を身につけようと言っています。

この理詰めで説得されることを嫌がるというのは実感としてわかります。そこに反論の余地がなければないほど、大きな敗北感とそれに反発する感情が生まれます。また議論ではなく感情の操作によって説得されることは、理詰めの場合とは逆に問題とならず、むしろ快感を与えます。
この辺りの特性を考えると誰かを動かしたい場合、理詰めだけで説得するのではなく感情にも働きかけることがより効果があります。理詰めの部分も反論の余地を残したり、一部はあえて自ら負けるように仕掛けておくと、反発が少なく動かしやすい状態になるでしょう。
会社で考えてみると管理職・マネージャーは「権限を利用して人を動かすこと」ができます。このとき、「私には権限があるから動きなさい」という理屈は、部下・メンバーにとって時には反発を生みます。そうならないように感情に働きかけておき、権限という理屈ではなく、求められて動いているという状態を目指すと良いかもしれません。
話はずれますが、更に発展して部下・メンバーが自分の意志で動いているという能動的な状態を築けることは、リーダーシップの一つの形態と見ることもできます。

問いの技術が議論を制する

本書では「問いは議論を制す」として問いの問題に多くのページを割いています。
議論における問いには大きく2つの区分があると説明しています。1つは知らないことを尋ねたり整理するための単なる情報の要求、もう1つは何事か論証しようと意図を含んだものです。この意図とは相手をうろたえさせたり沈黙させたりしたり、他の聞き手に相手の議論に関する不信感を抱かせたりするものです。

こうした場合の問いは、何かわからないことについて説明を求める体裁をとりながら、痛烈な反論として、あるいは聞き手に与える論拠として用いられる。
(第一章: P19)

単なる情報の要求のように「何かわからないことについて説明を求める体裁」をとっているため、答える側は問われたことに対して答える必要が出てくることになります。このように疑問のかたちをとっていながら、その疑問の内容を聞く事が目的でない問いは修辞疑問として紹介されます。
また問う側の大きなメリットとして、問いに使用する言葉を自由に選択できるというものがあります。今回はこの2つを中心にして考えていきます。

議論における修辞疑問

本書の中で修辞疑問の例をいくつも取り上げられています。「どうやってそれをやれというのか」、「誰がそんなことをやれと言った」といった反語的なものや、「ここをどこだと思っているんだ」といったわかりきってることを聞く問いもそうです。

問いの形式による効果

反語的な表現やわかりきっていることを問いの形式にするのは、どのような効果があるのでしょうか。議論において問いにすると、形式上、問われた相手は答えることを要求されます。答えることを要求されため、何か対応する必要が出てきます。
このとき問いに答えられないこと、沈黙してしまうことは口頭での議論において致命的となります。

問いはその形式上の約束として、それに対する答えを要求します。だから、問いに対して沈黙した人は、問われたにもかかわらず答えられなかったということになり、その沈黙を敗北の証拠として言質に取られてしまうのです。
(第二章: P78)

現実の議論においては勝敗を判定する審判はいませんが、沈黙は少なくとも暫定的な配所を認定する指標となりうるのです。その議論を聞いてる他者にはそのような印象を残すことになるでしょう。

また問いに答えられたとしても、その回答自体が問う側にとって有利に働くことがありあます。問う側は自分に都合の良い言葉を使いながら、相手から「自分の言葉で確認させ、その言質を取る」ための回答を促す問いを行うことがあるのです。このとき問う側はわからないことを聞いているのではなく、どのような回答をするかをわかっていながら言質を取るために問うのです。

こちらの知らない答えを聞くためではなく、こちらがあらかじめ承知している答えを確認するために、そして多くの場合、相手がその答えを選択できず沈黙に追い込まれるのを誘導するために問われます。つまり論法としての問いは、本来の問いの機能として働いているのではない。
(第二章: P63)

修辞疑問は、問いの形式をとりながら、答える側に自分の言葉で確認させその言質を取ることを目的とした問いであり、更には答える側が答えることができず沈黙に追い込むための問いです。

出された問いにどう応じるか

ここまで修辞疑問の効果を確認しました。それでは答える側はどのように対応すれば良いでしょうか。本書の中では、あえて無理な答えを返してしまうという方法も強引なやり方として説明していますが、「答える」(answer)ではなく「言い返す」(retort)ことを説明しています。

「はい」か「いいえ」を要求する問いに対して「はい」か「いいえ」で答えるのが『answer』であるならば、『retort』はそのような問いの妥当性を、あるいはそれを問うという行為の是非を問題とします。
(第一章: P31)

例えば、 「その問いの内容自体がおかしい」といった対応です。
また問いそのものが引っ掛けの場合、答えること自体が敗北につながるので、その問いを壊すように言い返すようにします。AとBの定義が曖昧な状態で、AかBかを答えさせるような問いです。このような問いに回答すること自体が引っ掛けです。AかBか回答した後に、問う側はAかBの別け方がおかしいなどといった追及が可能となり、それについて答える側は更なる問いを受ける状態に追い込まれる可能性があります。そこで回答を行う前に、AとBとは何かを問う側に言い返すことで、その状態に追い込まれることを避けることを説明しています。

問う側は好きな言葉を使用できる

問う側の大きなメリットとして、好きな言葉を使用できるというものがあります。

問いを構成する言葉を自分で選ぶことができるということです。答える側は、こうして選ばれた言葉に合わせて、その問いに答えなくてはなりません。この事情が、議論の中で、問う側を格段に有利にしてしまうのです。
(第一章: P20) 

 本書で紹介されている事例を使いながら確認していきたいと思います。

二極化・相対化による操作

AとBという2人の人がいたとして、どちらの言うことを信じるのかと問われる状況という前提で言葉を変えながら考えていきます。ここでは「言い返す」(retort)ことは考えず、問いに「答える」(answer)ことだけを考えます。

まず初めに「AとB、どちらの言うことを信じるのか」という問いを考えます。この場合、答える側は「A」か「B」といった形式で回答することが多いかもしれませんが、「Aの方をより信じます」といったり他の表現で回答することができます。これは問う側からすると、予期せぬ修飾を伴った回答がくる可能性があることになります。

次に「AよりもBの言うことを信じるのか」という問いを考えます。この場合、答える側は「はい」か「いいえ」で回答することになります。この問い方にすると回答の仕方が上の問いに比べると狭まります。この問いでは「Aよりも」という言葉により、「はい」(Bの言うことを信じる)と答えると「Aの言うことも信じてるが」という意味が含まれてきます。AとBに関して相対化した表現にすることで、より比較が強調された印象を与えることになります。

次に「Aの言うことは信じないが、Bの言うことは信じるのか」という問いを考えます。こちらも「はい」か「いいえ」で回答することになります。この問いでは「Aの言うことは信じない」という言葉により、「はい」(Bの言うことを信じる)と答えると「Aの言うことは信じない」という意味が含まれてきます。このように二極化した表現にすることで、答えるのを難しくしたり答えることで言質をとることができます。

現実では議論の流れの中で問うことになりますし、答えることなります。また気付きにくい表現になっていることも多いでしょうから、どのように問うか答えるかを意識していないと不要な痛手を被ることでしょう。

人物の表現を変える

ある人物を示すとき、その人物の名前以外にも色々な表現があります。本書の中では以下のように言っています。

人間は、場によって異なった資格・職能をもつため、同一の人間がその場に応じてさまざまな「名」で呼ばれうる。
(第一章: P24) 

このことについて、「AとB、どちらの言うことを信じるのか」という問いの「A」や「B」を人物などの表現に変えてどうなるか考えてみます。

例えば、「先輩と後輩、ちらの言うことを信じるのか」という表現はどうしょうか。2人の関係性を持ち出し、経験値が豊富な方が有効である、と問う側が意識して発しているのです。他に「ベテランと若手」など色々と考えられます。
「頭の固い人と斬新なアイデアの持ち主」とするとどうでしょうか。この表現の場合は、経験値が足を引っ張っているのでは、と問う側が意識して発しています。

他に人をグループ化した名称を使用することもあります。「賛成派と反対派」「推進する人たちと保守的な人たち」といった表現です。注意したいのはグループ化の名称はある種のレッテルをはるのに有効になってることがあります。例えば「反対派」という表現は全てに反対しているかのような印象を与えますが、現実ではある一部分に関して反対しているだけのことが多いでしょう。レッテルをはることで問う側はなんらかの方向性へ議論を向かわせるようにすることがあるのです。

個人とグループを並べること表現もあります。例えば「社長と反対派、どちらの言うことを信じるのか」はどうでしょうか。片方は「社長」というその人の組織内での地位、もう片方は「反対派」という意見に対する姿勢・属性の表現です。本来比較される対象でない名称をあえて並べて問いを行っています。「何を言ったか」より「誰が言ったか」が重要になるような組織や場面においては、このような表現が強烈に有効になることがありますので、気を付けましょう。
ここで気を付けるというのは、相手が使ってくることもあれば、自分でも使ってしまうことがあるからです。このような問いをすることで、相手が言い返してきた場合、自分が苦しくなる立場になることになります。本書ではこのような表現は詭弁として注意するように促しています。

間違った問いの可能性

問う側の言葉によっては問いそのものが間違っていることもあるかもしれません。

例えば「なぜ日本にはグーグルが生まれないのか」といった問い方を考えてみます。グーグルではなくアマゾンやアップルとしたり、またはそれらを併記してることもありますし、スティーブ・ジョブズといった人名のこともあります。これは日本という国でグーグル(のようなIT企業、といった意味で問われることが多い)が生まれない理由を何かという問いになっています。
日本と指定していますが、日本以外の国ではどうでしょうか。それを考えるとアメリカ以外で生まれていないというのが正しいようです。その場合、「なぜアメリカにはグーグルが生まれるのか」または「なぜアメリカ以外にはグーグルが生まれないのか」、あるいは「アメリカでは生まれるのに、なぜ日本にはグーグルが生まれないのか」といった問いの方が適切なようです。
この問いの場合、事前に「アメリカでは~」という前振りがあったりと前後で議論されていることの方が多いでしょう。ここで意識しておきたいのは、受け入れやすい言葉によって、間違った問いになっているかを見落とさないことです。

まとめ

今回は「レトリックと詭弁」から議論術の紹介でした。

以上

【関連するリンク】

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JavaScriptのDateオブジェクトを文字列で作成する場合について

今回はJavaScriptのDateオブジェクトのメモです。

時刻なしの日付文字列で指定する場合、ハイフンで行うとき注意する

Dateオブジェクトをnewするとき、指定する方法がいくつかありますが、日付文字列で指定する場合について調査します。
結果は Google Chrome で起動した場合の例になります。
まずはスラッシュで区切った日付文字列の場合です。

var date =new Date("2018/10/1");
console.log(date);

コンソールでは以下のようになります。想定通りです。

Mon Oct 01 2018 00:00:00 GMT+0900 (日本標準時)

次はハイフンで区切った場合です。

var date =new Date("2018-10-1");
console.log(date);

コンソールでは以下のようになります。こちらも結果は同じです。

Mon Oct 01 2018 00:00:00 GMT+0900 (日本標準時)

続いては少し日付を変更して、確かめます。

var date =new Date("2018/10/10");
console.log(date);

コンソールでは以下のようになります。想定通りです。

Wed Oct 10 2018 00:00:00 GMT+0900 (日本標準時)

次はハイフンで区切った場合です。

var date =new Date("2018-10-10");
console.log(date);

コンソールでは以下のようになります。

Wed Oct 10 2018 09:00:00 GMT+0900 (日本標準時)

この場合、時刻の部分に差異があり、「09:00:00」となっています。この時間は日本の時差の分と一致しています。この原因を調査すると、ハイフンで日付文字列にした場合、UTCとして扱われるためのようです。
developer.mozilla.org

注: ブラウザごとに動作が異なり一貫性がないため、Date コンストラクタ (または同等の Date.parse) で日付文字列を解釈しないように強くすすめます。RFC 2822 形式の文字列のサポートは、慣例にすぎません。 ISO 8601 フォーマットのサポートは、日付のみの文字列 (例: "1970-01-01") が地方時ではなくUTCとして扱われる点で異なります。

しかし、「2018-10-1」のときはUTCではありませんでした。これは ISO 8601 の年月日の形式が「YYYY-MM-DD」であり、日が2桁表示だからです。「2018-10-1」の場合、ISO 8601 の形式ではありませんが、ブラウザ側で日付として解釈してDateオブジェクトを作成しているようです。(例えばIE11で試すと、「Invalid data」としてエラーとなります。)
正しい形式で指定した場合、どうなるか確認してみます。

var date =new Date("2018-10-01");
console.log(date);

コンソールでは以下のようになります。

Mon Oct 01 2018 09:00:00 GMT+0900 (日本標準時)

この形式の場合、UTCとして扱われていることが確認できました。
ISO 8601 の年月日の形式が「YYYY-MM-DD」ですので、ハイフンを利用してDateオブジェクトをnewする場合、日にちだけでなく月の部分についても2桁になるようにしておかないと時刻まで扱うときに不具合の要因となるので注意しましょう。例えばgetTime()を利用して日付の大小比較をしているときなどです。それまで問題なかったものが、MM-DDとなる10月10日からおかしくなってしまうという問題が発生するかもしれません。

まとめ

今回はJavaScriptのDateオブジェクトを文字列で作成する場合についてでした。

以上

【更新情報】工数推移グラフの表示

※Project-Alphaは2019年12月をもって、サービスの提供を終了します。

今回は我々が開発しているプロジェクト管理ツールProject-Alpha(プロジェクトアルファ)を更新したので内容を説明します。

更新情報

更新内容

ガントチャートで登録した内容から工数の推移がわかるグラフを表示できるようになりました。ガントチャートの入力画面から「表・グラフ」を選択して、工数推移グラフを選択すると新しいウィンドウで表示されます。

工数推移グラフで開始から終了までの期間の工数推移が分かるようになります。予定については、開始日付と終了日付が入力されているものが反映されます。実績については、開始日付が入力されているものが反映されます。進捗率があっても、開始日付が入力されていない場合、グラフ上には反映されません。

またマイルストーンの設定を行っている場合、その日付についてラインで表示されます。表示するラインの日付は以下の優先順位で入力のある日付上に表示されます。
①実績の終了日付がある場合、その終了日付
②実績の開始日付がある場合、その開始日付
③予定の終了日付がある場合、その終了日付

グラフの配色について

予定や実績の色については、進捗表の設定と同期しています。プロジェクト設定のコンテンツ設定から変更することが可能です。

例えば、進捗表の設定を以下のように変更します。

この場合の、工数推移グラフは以下のようになります。進捗表も同時に表示することができ、配色が同期するようになっていることがわかります。

※追記 以下の追加更新を行っています。

マイルストーンだけでなく基準日付もラインで表示されるようになり、タイトルだけでなく日付を表示するようにしました。

更に日次推移以外にもグラフを表示できるようになりました。

週次推移の場合は以下のようになります。

週次工数の場合は以下のようになります。各週ごとの予定と実績の工数を棒グラフで表示します。

 週次工数推移の場合は以下のようになります。累計工数と週ごとの工数を同時に表示されます。

各グラフの凡例の名称にマウスを乗せると、そのグラフ以外がうすくなります。またこの名称をクリックすると非表示となり、再度クリックすると非表示から表示に戻ります。

例えば予定工数をクリックして、非表示にした場合の表示は以下のようになります。

まとめ

今回は更新情報の内容の説明でした。
現在はこの表示のみですが、グラフについては今後複数のパターンで表示できるようになる予定です。

以上

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Laravelのクエリビルダを構築するメソッドの検討 - Select文を作成する②複数の結合条件の対応など

今回はPHPフレームワークの一つのLaravelの中から、データベースのクエリビルダを自動構築する設定を検討してみたいと思います。具体的には取得条件のテーブルなどの定義情報を渡して、クエリビルダを構築するメソッドを検討します。今回利用するDBはMySQLです。SQLの基本が理解できていることが前提となります。
これまでの内容は以下を参照してください。

Laravelのクエリビルダを構築するメソッドの検討 - Select文を作成する① - 商売力開発ブログ

Select文の構成

前回までの説明で結合条件と取得するカラムについて対応しました。以下のようなクエリ定義情報を渡すことでクエリビルダを構築するようにしました。

$queryDef=[
   'table' => [],
   'join' => [],
   'select' => [],
];

$queryDef['table']=['table1','joinTable2','leftTable3'];

$queryDef['join']=[
    [
        'tblNo' => 1,
        'type' => 'join',
        'cond'=>[
            ['leftTblNo' => 0,'leftCol'=>'col1','ope'=>'=','rightTblNo' => 1,'rightCol'=>'col1']
        ]
    ],
    [
        'tblNo' => 2,
        'type' => 'leftJoin',
        'cond'=>[
            ['leftTblNo' => 0,'leftCol'=>'col1','ope'=>'=','rightTblNo' => 2,'rightCol'=>'col1']
        ]
    ],
];

$queryDef['select']=[
    [
        'tblNo' => 0,
        'column' => 'col1',
        'alias' => NULL,
    ],
    [
        'tblNo' => 1,
        'column' => 'col2',
        'alias' => 'ColName',
    ],
];

ただこのままだと、使いにくい部分があるので、変更を加えていきます。

取得する部分の設定

取得するカラムの設定については、テーブルのNoと列名を指定することで取得してます。このままだと計算式などができないので、DB::rawメソッドで対応できるようにします。例えば以下のようなrawフラグをクエリ定義情報に追加してみます。'column'にDB::rawメソッドで使用する文字列を設定しています。注意が必要なのは、テーブル名のプレフィックスとして設定する文字列(この場合、「tbl」)を含めた形式で記述する必要があります。プレフィックスを変更する場合、こちらの設定も変更する必要が出てきます。

$queryDef['select']=[
    [
        'tblNo' => 0,
        'column' => 'col1',
        'alias' => NULL,
        'flgRaw' => FALSE,
    ],
    [
        'tblNo' => 1,
        'column' => 'col2',
        'alias' => 'ColName',
        'flgRaw' => FALSE,
    ],
    [
        'tblNo' => NULL,
        'column' => 'tbl1.col3+tbl2.col3',
        'alias' => 'ColRaw',
        'flgRaw' => TRUE,
    ],
];

この追加したフラグを元に、addSelectの部分を変更します。

for ($i=0; $i < count($queryDef['select']); $i++) { 
    //flgRawの有無
    if($queryDef['select'][$i]['flgRaw']){
        //flgRawの場合、カラムからのみ設定する
        $addCol=$queryDef['select'][$i]['column'];
    }else{
        //テーブルとカラムの設定
        $addCol=$prefix.$queryDef['select'][$i]['tblNo'].'.'.$queryDef['select'][$i]['column'];
    }
    
    //別名の設定
    if(!empty($queryDef['select'][$i]['alias'])){
        //別名を設定する
        $addCol=$addCol.' as '.$queryDef['select'][$i]['alias'];
    }
    //flgRawの有無
    if($queryDef['select'][$i]['flgRaw']){
        //DB::rawとして設定する
        $addCol=DB::raw($addCol);
    }
    
    //カラムの設定
    $query->addSelect($addCol);
}

この状態でtoSqlメソッドで確認すると以下の結果が得られました。

select
  `tbl0`.`col1`
  , `tbl1`.`col2` as `ColName`
  , tbl1.col3 + tbl2.col3 as ColRaw 
from
  `table1` as `tbl0` 
  inner join `joinTable2` as `tbl1` 
    on `tbl0`.`col1` = `tbl1`.`col1` 
  left join `leftTable3` as `tbl2` 
    on `tbl0`.`col1` = `tbl2`.`col1`

問題なくDB::rawメソッドの部分も設定されました。

複数条件による結合

joinやleftJoinの結合条件について、その結合条件の数が一つの場合はメソッドの引数に指定しますが、複数ある場合は、第2引数にクロージャを指定して設定することになります。

//結合条件が一つの場合
$query->join('table2', 'table1.col1', '=', 'table2.col1');

//結合条件が複数の場合
$query->join('table2', function($join){
    $join->on('table1.col1','=','table1.col1');
    $join->on('table1.col2','=','table1.col2');
});

複数の結合条件を構築するには、クエリ定義情報から動的にクロージャを定義し、それを渡すことによって対応することができそうです。ですが動的にメソッドを定義することは、ちょっと調査しても簡単に対応できそうにないので、他の方法で対応します。
具体的にどのように対応していくかと言うと、結合条件が一つの場合の書き方とDB::rawメソッドを利用して、複数の条件を渡します。結合条件の左辺の部分をDB::rawメソッドで設定し複数の条件と最終条件の左辺まで記述して対応するイメージとなります。

//結合条件が一つの場合と同じ形式にして、DB::rawで対応する。
$query->join('table2', DB::raw('条件1' and '条件2' andand '最終条件の左辺'), '=', 'table2.col1');

クエリ定義情報の結合条件を複数持てるようにし追加してみます。

$queryDef['join']=[
    [
        'tblNo' => 1,
        'type' => 'join',
        'cond'=>[
            ['leftTblNo' => 0,'leftCol'=>'col1','ope'=>'=','rightTblNo' => 1,'rightCol'=>'col1'],
            ['leftTblNo' => 0,'leftCol'=>'col2','ope'=>'=','rightTblNo' => 1,'rightCol'=>'col2'],
        ]
    ],
    [
        'tblNo' => 2,
        'type' => 'leftJoin',
        'cond'=>[
            ['leftTblNo' => 0,'leftCol'=>'col1','ope'=>'=','rightTblNo' => 2,'rightCol'=>'col1'],
        ]
    ],
];

このクエリ定義情報から、結合条件が一つの場合と同じ形式にして、DB::rawメソッドで対応するように設定すると以下のようになります。

for ($i = 0; $i < count($queryDef['join']); $i++) {
    //左辺に設定する文字列
    $leftString='';
    //結合するテーブルと別名の設定
    $joinTable = $queryDef['table'][$queryDef['join'][$i]['tblNo']].' as '.$prefix.$queryDef['join'][$i]['tblNo'];
    
    for ($j = 0; $j < count($queryDef['join'][$i]['cond']); $j++) {
        //左結合カラム
        $leftCol = $prefix.$queryDef['join'][$i]['cond'][$j]['leftTblNo'].'.'.$queryDef['join'][$i]['cond'][$j]['leftCol'];
        //等号などの演算子
        $operator = $queryDef['join'][$i]['cond'][$j]['ope'];
        //右結合カラム
        $rightCol = $prefix.$queryDef['join'][$i]['cond'][$j]['rightTblNo'].'.'.$queryDef['join'][$i]['cond'][$j]['rightCol'];
        
        //左辺の文字列への設定
        $leftString = $leftString.$leftCol;
        
        if($j != count($queryDef['join'][$i]['cond'])-1){
            //最後の結合条件でない場合、左辺の文字列に、演算子と右結合カラムを追加し、and条件で設定する
            $leftString = $leftString.' '.$operator.' '.$rightCol.' and ';
        }else{
            //最後の結合条件、結合の種類ごとに設定する
            if($queryDef['join'][$i]['type'] == 'join'){
                //join
                $query->join($joinTable,DB::raw($leftString),$operator,$rightCol);
            }elseif($queryDef['join'][$i]['type'] == 'leftJoin'){
                //leftJoin
                $query->leftJoin($joinTable,DB::raw($leftString),$operator,$rightCol);
            }
        }
    }
}

この状態でtoSqlメソッドで確認すると以下の結果が得られました。

select
  `tbl0`.`col1`
  , `tbl1`.`col2` as `ColName`
  , tbl1.col3 + tbl2.col3 as ColRaw 
from
  `table1` as `tbl0` 
  inner join `joinTable2` as `tbl1` 
    on tbl0.col1 = tbl1.col1 
    and tbl0.col2 = `tbl1`.`col2` 
  left join `leftTable3` as `tbl2` 
    on tbl0.col1 = `tbl2`.`col1`

問題なく結合条件が設定されています。これにより複数の結合条件にも動的に対応できるようになっています。この対応によりクエリビルダを自動構築するメソッドの対応範囲が大きくなり、色々な場面で利用できるようになったと思います。

まとめ

今回はLaravelのデータベースのクエリビルダについて、定義情報から構築する方法を検討しました。
今回の検討により、Select項目や結合条件については、ある程度対応できる状態になりました。この他の設定については、また別の機会で紹介します。

以上

【関連するリンク】 www.prj-alpha.biz www.prj-alpha.biz

Laravelのクエリビルダを構築するメソッドの検討 - Select文を作成する①

今回はPHPフレームワークの一つのLaravelの中から、データベースのクエリビルダを自動構築する設定を検討してみたいと思います。具体的には取得条件のテーブルなどの定義情報を渡して、クエリビルダを構築するメソッドを検討します。今回利用するDBはMySQLです。SQLの基本が理解できていることが前提となります。
またこのメソッドに関連する他の記事については以下を参照して下さい。

Laravelのクエリビルダを構築するメソッドの検討 - Select文を作成する②複数の結合条件の対応など - 商売力開発ブログ

クエリビルダを活用する

Laravelではクエリビルダが用意されており、このメソッド使用することでクエリを作成してデータベースを操作することができることは、以前紹介しました。
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クエリビルダを利用することで簡単にデータベースからデータを取得できますが、使用頻度が多い場合は毎回記述するとなると結構面倒です。そこでクエリビルダを構築するメソッドを検討したいと思います。今回は簡単なデータの取得の部分、要はSelect文を構築するクエリビルダについて考えていきたいと思います。

クエリビルダとSelect文の構成要素

Select文の構成は簡単なものだと以下のようになります。

SELECT select_list
FROM table_list
[ WHERE search_conditions ]
[ GROUP BY group_by_list ]
[ HAVING search_conditions ]
[ ORDER BY order_list [ ASC | DESC ] ]

今回はこの中で、SELECT、FROMについてクエリビルダを構築するメソッドを検討します。以下のようなSelect文を構成するためのクエリ定義情報を受け取ると、その定義に合わせたクエリビルダを構築するイメージです。

$queryDef=[
   'table' => [],
   'join' => [],
   'select' => [],
];

テーブルの設定と結合条件

まず始めにテーブルの設定に関して考えてみます。クエリビルダで記述する場合、DBファサードに基となるテーブルを設定し、結合を行う場合はjoinやleftJoinメソッドを利用し結合対象のテーブルを指定し、結合条件を記載します。

$query = DB::table('table1');
//内部結合
$query->join('joinTable2', 'table1.col1', '=', 'joinTable2.col1');
//左外部結合
$query->leftJoin('leftTable3', 'table1.col1', '=', 'leftTable3.col1');

ここで考えたいのがテーブル名についてです。結合条件にもテーブル名を持っていますが、これを別名で置き換えるようにします。別名を付けることで、同じテーブルとの結合が複数必要な場合にも対応することができます。例えば、クエリ定義情報のtable設定が以下のようになってるとします。

$queryDef['table']=['table1','joinTable2','leftTable3'];

結合条件にはテーブルのNoを指定して書き換えるようにします。わかりやすくするため、テーブルのプレフィックスも設定します。

//テーブル名のプレフィックス
$prefix = 'tbl';
$query = DB::table($queryDef['table'][0].' as '.$prefix.'0');
//内部結合
$query->join($queryDef['table'][1].' as '.$prefix.'1', $prefix.'0'.'.col1', '=', $prefix.'1'.'.col1');
//左外部結合
$query->leftJoin($queryDef['table'][2].' as '.$prefix.'2', $prefix.'0'.'.col1', '=', $prefix.'2'.'.col1');

この状態でどのようなSQLが発行されるか、確認してみます。以下のtoSqlメソッドで確認することができます。

logger($query->toSql());

この結果は以下のようになりました。

select
  * 
from
  `table1` as `tbl0` 
  inner join `joinTable2` as `tbl1` 
    on `tbl0`.`col1` = `tbl1`.`col1` 
  left join `leftTable3` as `tbl2` 
    on `tbl0`.`col1` = `tbl2`.`col1`

テーブルをクエリ定義情報から設定できるイメージができたので、続いては結合条件の部分です。結合条件には対象のテーブルと、結合するカラムの情報が必要になります。クエリ定義情報のjoin設定を以下のようにします。

$queryDef['join']=[
    [
        'tblNo' => 1,
        'type' => 'join',
        'cond'=>[
            ['leftTblNo' => 0,'leftCol'=>'col1','ope'=>'=','rightTblNo' => 1,'rightCol'=>'col1']
        ]
    ],
    [
        'tblNo' => 2,
        'type' => 'leftJoin',
        'cond'=>[
            ['leftTblNo' => 0,'leftCol'=>'col1','ope'=>'=','rightTblNo' => 2,'rightCol'=>'col1']
        ]
    ],
];

この定義情報から結合するようにしてみます。

//テーブル名のプレフィックス
$prefix = 'tbl';
$query = DB::table($queryDef['table'][0].' as '.$prefix.'0');

for ($i=0; $i < count($queryDef['join']); $i++) {
    //結合するテーブルと別名の設定
    $joinTable = $queryDef['table'][$queryDef['join'][$i]['tblNo']].' as '.$prefix.$queryDef['join'][$i]['tblNo'];
    //左結合カラム
    $leftCol = $prefix.$queryDef['join'][$i]['cond'][0]['leftTblNo'].'.'.$queryDef['join'][$i]['cond'][0]['leftCol'];
    //等号などの演算子
    $operator = $queryDef['join'][$i]['cond'][0]['ope'];
    //右結合カラム
    $rightCol = $prefix.$queryDef['join'][$i]['cond'][0]['rightTblNo'].'.'.$queryDef['join'][$i]['cond'][0]['rightCol'];
    //結合するタイプごとに設定するメソッドを変更する
    if($queryDef['join'][$i]['type']=='join'){
        //join
        $query->join($joinTable,$leftCol,$operator,$rightCol);
    }elseif($queryDef['join'][$i]['type']=='leftJoin'){
        //leftJoin
        $query->leftJoin($joinTable,$leftCol,$operator,$rightCol);
    }
}

この状態でtoSqlメソッドで確認すると同じ結果が得られました。

取得するカラムの設定

取得対象のテーブルの準備ができましたので、続いては取得するカラムの設定です。取得対象となるカラムの情報にはテーブルとカラムの情報が必要です。テーブルはNoを指定するようにします。クエリ定義情報のselect設定を以下のようにします。

$queryDef['select']=[
    [
        'tblNo' => 0,
        'column' => 'col1',
        'alias' => NULL,
    ],
    [
        'tblNo' => 1,
        'column' => 'col2',
        'alias' => 'ColName',
    ],
];

この定義情報からカラムを追加するようにしてみます。

//テーブル名のプレフィックス
$prefix = 'tbl';
$query = DB::table($queryDef['table'][0].' as '.$prefix.'0');

for ($i=0; $i < count($queryDef['join']); $i++) {
    //結合するテーブルと別名の設定
    $joinTable = $queryDef['table'][$queryDef['join'][$i]['tblNo']].' as '.$prefix.$queryDef['join'][$i]['tblNo'];
    //左結合カラム
    $leftCol = $prefix.$queryDef['join'][$i]['cond'][0]['leftTblNo'].'.'.$queryDef['join'][$i]['cond'][0]['leftCol'];
    //等号などの演算子
    $operator = $queryDef['join'][$i]['cond'][0]['ope'];
    //右結合カラム
    $rightCol = $prefix.$queryDef['join'][$i]['cond'][0]['rightTblNo'].'.'.$queryDef['join'][$i]['cond'][0]['rightCol'];
    //結合するタイプごとに設定するメソッドを変更する
    if($queryDef['join'][$i]['type']=='join'){
        //join
        $query->join($joinTable,$leftCol,$operator,$rightCol);
    }elseif($queryDef['join'][$i]['type']=='leftJoin'){
        //leftJoin
        $query->leftJoin($joinTable,$leftCol,$operator,$rightCol);
    }
}

for ($i=0; $i < count($queryDef['select']); $i++) { 
    //テーブルとカラムの設定
    $addCol=$prefix.$queryDef['select'][$i]['tblNo'].'.'.$queryDef['select'][$i]['column'];
    //別名の設定
    if(!empty($queryDef['select'][$i]['alias'])){
        //別名を設定する
        $addCol=$addCol.' as '.$queryDef['select'][$i]['alias'];
    }
    //カラムの設定
    $query->addSelect($addCol);
}

この状態でtoSqlメソッドで確認すると以下の結果が得られました。

select
  `tbl0`.`col1`
  , `tbl1`.`col2` as `ColName` 
from
  `table1` as `tbl0` 
  inner join `joinTable2` as `tbl1` 
    on `tbl0`.`col1` = `tbl1`.`col1` 
  left join `leftTable3` as `tbl2` 
    on `tbl0`.`col1` = `tbl2`.`col1`

問題なく別名も設定されました。

まとめ

今回はLaravelのデータベースのクエリビルダについて、定義情報から構築する方法を検討しました。
ここまではSelectを行うのに最低限の設定となります。この他の設定については、また別の機会で紹介します。

以上

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Laravelのクエリビルダの基本機能を確認する

今回はPHPフレームワークの一つのLaravelの中から、データベースのクエリビルダの基本機能について確認します。今回利用するDBはMySQLです。

クエリビルダの基本

Laravelではクエリビルダが用意されており、このメソッド使用することでクエリを作成してデータベースを操作することができます。
クエリビルダを使用するにはDBファサードをuseしておく必要があります。

use DB;

まずDBファサードのtableメソッドを使用して取得したテーブル名を指定します。以下ではusersテーブルを指定してます。

$users = DB::table('users');

指定したテーブルのレコードを取得するには、getメソッドを使用します。getメソッドによりSelectされることになります。上記のクエリビルダインスタンスを使用する場合、以下のようにして取得できます。

$records = $users->get();

この場合、usersテーブルが全件取得されます。取得されたレコードは、StdClassオブジェクトのインスタンスを結果として含むCollectionオブジェクトとして返ってきます。以下では取得した結果の最初のデータのname(usersテーブルのnameカラム)を表示します。

echo $records[0]->name;

その他の基本構文

ここまでSelectを行うのに必要最低限のコードを確認しました。ここからSelectを行う際に良く使うメソッドを確認していきます。共通で以下のテーブルを使用するものとします。

$query = DB::table('table1');

取得するカラムを指定する

Selectする際に必要なカラムを指定する場合、selectメソッドやaddSelectメソッドで対応することができます。取得したいカラム名を渡すことが指定されます。両方のメソッドとも複数のカラム名を指定できます。

$query->select('col1','col2');
//ここでgetを行うと、2列取得されます

$query->addSelect('col3');
//ここでgetを行うと、3列取得されます

$query->select('col1','col2')->select('col1');
//ここでgetを行うと、1列取得されます

$query->select('col1');
$query->addSelect('col2','col3');
//ここでgetを行うと、3列取得されます

ちなみにカラム名に別名をつけたい場合は以下のようになります。

$query->select('col1','col2 as name2');
$query->addSelect('col3 as name3');

SQL文をそのまま使用する

selectメソッドでカラム名を指定して取得しましたが、関数や算出を行いたいなどSQLを直接使用したい場面もあります。そのようなときにはDB::rawメソッドを使用することで対応することができます。

$query->select(DB::raw('col1, CONCAT(col2,col3) as col23'));
//以下は上と同じとなります
$query->select('col1',DB::raw('CONCAT(col2,col3) as col23'));

DB::rawメソッドを使用して書きましたが、クエリのそれぞれに対応したrawメソッドが用意されています。
selectの部分についてはselectRawメソッドが用意されています。selectRawはaddSelect(DB::raw(...))と同じです。

$query->select(DB::raw('col1, CONCAT(col2,col3) as col23'));
//以下は上と同じとなります
$query->select('col1'));
$query->selectRaw('CONCAT(col2,col3) as col23'));
//以下も上と同じとなります
$query->select('col1'));
$query->addSelect(DB::raw('CONCAT(col2,col3) as col23'));

rawメソッドはそのままクエリとして実行されるので、SQLインジェクションが発生しないように気を付けましょう。

JOINを設定する

テーブルを結合する場合、内部結合がjoinメソッド、左外部結合がleftJoinメソッドが用意されています。テーブル名と結合条件を指定することができます。

//内部結合
$query->join('table2', 'table1.col1', '=', 'table2.col1')
    ->join('table3', 'table1.col2', '=', 'table3.col2');
//左外部結合
$query->leftJoin('table4', 'table1.col1', '=', 'table4.col1')
    ->leftJoin('table5', 'table1.col2', '=', 'table5.col3');

テーブルの結合条件が複数ある場合は、第2引数にクロージャを指定して設定することができます。

$query->join('table2', function($join){
    $join->on('table1.col1','=','table1.col1');
    $join->on('table1.col2','=','table1.col2');
});

ちなみにLaravel5.6ではサブクエリのJOINにも対応できるようになったようです。

WHEREを設定する

WHERE句についてはいくつものメソッドが用意されています。一番基本はwhereメソッドです。

$query->where('col1','=',0);
$query->where('col2','>',0);
$query->where('col3','<>',0);
$query->where('col4','like','%1');

この書き方やチェーンでつなげるとANDでのWHERE句になります。ORで対応したい場合はorWhereメソッドを使います。
この他にwhereBetween、whereIn、whereNotIn、whereNull、whereNotNull、whereRaw、orWhereRawなどがあります。

クエリビルダをどのように活用するか

クエリビルダを利用して簡単なSelectを行う方法は確認できました。SQLがわかっている人であれば、特に難しいことなく取得するコードを記述できると思います。
ただデータベースからSelectを行なおうとする度にこれらの構文を記述するのは結構面倒です。なので我々は、取得したいテーブル、結合条件、取得対象カラム、抽出条件などの定義情報を引数として渡すと、Select結果が返ってくるような関数やメソッドを定義して取得するようにしています。このあたりの設定例については、機会があれば別途紹介したいと思います。
※以下の記事で紹介しています。

Laravelのクエリビルダを構築するメソッドの検討 - Select文を作成する① - 商売力開発ブログ
Laravelのクエリビルダを構築するメソッドの検討 - Select文を作成する②複数の結合条件の対応など - 商売力開発ブログ

まとめ

今回はLaravelのデータベースのクエリビルダの基本機能のうち主にSelectの方法について確認しました。

以上
【関連するリンク】
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