商売力開発ブログ

非エンジニアがWebサービスの開発、運営によって商売力をつける記録、その他の雑記

「売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則」から学ぶ⑥ どのような姿勢で臨むか

今回はマーケティング本の名著に上げられる「売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則」を読んでの我々なりの解釈を紹介します。今回で一通り全ての法則に触れることになります。

売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則

売れるもマーケ 当たるもマーケ―マーケティング22の法則

  • 作者: アルライズ,ジャックトラウト,Al Ries,Jack Trout,新井喜美夫
  • 出版社/メーカー: 東急エージェンシー出版部
  • 発売日: 1994/01/01
  • メディア: 単行本
  • 購入: 17人 クリック: 250回
  • この商品を含むブログ (61件) を見る
 

法則が示す心の中はどういうものか

本書の法則で示される全体イメージは以前提示しました。

今回は最後に触れていない4法則を見ていきます。主に触れる法則としては以下になります。

  • 第15章:正直の法則
  • 第18章:成功の法則
  • 第19章:失敗の法則
  • 第22章:財源の法則

どのような姿勢で臨むか

マーケティング活動していく中で、自社の製品・サービスのポジティブな面をどのようにして認知してもらうかというところに意識がいきますが、それだけではありません。

顧客の心の中に入り込む一番効果的な方法はまずネガティブ面を認めて、それをポジティブ要素に変えることだと聞けば、あなたは驚くかもしれない。
(第15章:正直の法則 P156)

自社の問題点を認めて、それを更に表明していくことが、ときには有利に働くことを理解することは難しいかもしれません。しかし、これがときには大きな効果があります。キューサイの青汁のCMでの「まずい!もう一杯!」はわかりやすい例でしょう。

あなたが顧客を納得させるためには、ポジティブな発言の正しさを証明して見せなくてはならない。ネガティブな発言の場合、証明は不要である。
(第15章:正直の法則 P157)

引き続きキューサイの青汁のCMを例にすると、まず「まずい!」というネガティブな面を強調してます。これは出演している八名信夫の表情と相まって、その「まずさ」については説明の必要がないでしょう。そして、すぐに「もう一杯!」とすることで、そのネガティブな面を覆すほど得られる効果がありそうだと、視聴者に思わせることに成功しています。「もう一杯!」はネガティブな場合にやらないこと(ポジティブな場合にやること)なので、ここがギャップとなり大きな効果が得られています。
ちなみにこのCMのセリフですが、アドリブでこのようになったようです。当初は別のセリフの予定が飲んだらあまりのまずさにそのセリフを言えず、社長に「まずい」に変えていいかと聞いて変わったというから驚きです。変えるのは良いがフォローを入れてくれとのリクエストで「もう一杯」が加わったとのことらしいのです。この話の凄いところは、変更を求められてその場でOKを出したキューサイ側です。自社のネガティブな面を素直に認める正直な姿勢で臨むことは、そう簡単ではありません。

成功と失敗の経験

成功した経験、失敗した経験がときには役に立ち、ときには足を引っ張ります。

人は成功すると、とかく客観性を失いがちになる。彼らはしばしば自己の判断を、市場のニーズと混同するのだ。
(第18章:成功の法則 P184)

成功するとエゴは大きく膨らみ、客観性を失っていくと言っています。ただエゴは新事業を行う時に大きな推進力ともなることもあります。エゴが問題となるのは、マーケティング活動に持ち込むときと言っているのです。
ポイントととなるの成功体験により客観性を失っているときとは、どのような状況かということになりそうです。マーケティング活動の何かを判断するときに、その判断の決め手となる要素が成功体験に基づいたものばかりのとき、客観性があるか確認が必要でしょう。

ミスを認めながらそれに対して何の手も打たないというのでは、あなたのキャリアに傷がつく。上手なやり方は早いうちに失敗を認め、損害を食い止めることだ。
(第19章:失敗の法則 P192)

たいていの会社は失敗していても、何とか継続させることを選択してしまうと言っています。早めに失敗を認め、活動に変更を加えたり停止することで損害が大きくなる前に食い止めることができると言っています。

これらの法則で指摘していることは、めずらしいものではありませんが、これを確実に実行することが非常に難しいです。
成功に関しては、小さなものも含めて成功を積み重ねて自信を深めることが多いようです。マーケティング活動においても同様で、この過程で客観性を失ってしまう。マーケティング活動では顧客にどう知覚されるかが重要であると、これまでも散々触れてきました。顧客にとってはこれまで成功していたかは関係ないのです。マーケティング活動の選択は、これまで成功したかではなく、なぜ成功したか、そして今回も当てはまるかといったことを確認できる仕組み作りが必要となるでしょう。
失敗に関しては、それを早く認めて損害を食い止めるというが、例えば事業の失敗を認めて撤退するとい規模の決断となると、いっきに難しくなる組織が大半でしょう。マーケティング活動においては、事前に基準を作って失敗ラインを決めておくことで判断する機会を作ることができます。ここで注意が必要なのはマーケティング活動は継続的なもので、最初は成功しているように見えたものが一定期間経過すると効果がないこともあります。定期的に計測し、経過に合わせた基準の設定が必要になりそうです。

最後の法則

これまでの法則では心の中がどうなっているかやどう働きかけるか、そしてどのようような姿勢で臨むかといったものでした。しかし最後はそれらとは別に財源の重要性について言っています。

マーケティングとは、顧客の心の中で争われるゲームである。顧客の心の中に入っていくには、資金が要る。そしていったん入り込んでも、そこに留まるにはまた資金が必要なのである。
もしあなたが、アイデアはありふれているけれど、100万ドルの資金を持ち合わせているとすれば、優れたアイデアしかない場合よりも遥かに成果を上げることできる。
(第22章:財源の法則 P214)

マーケティング活動を成功させるには、優れたアイデアがあれば後はマーケティング上の知識や支援だと考えがちなところにくぎを刺します。

金のないアイデアは全く無価値であるとはいえないにしても、まあ、無価値に近い。ともかくあなたは、マーケティング上の支援よりは金づるを探すことにアイデアを使うべきだ。マーケティングなど、そのあとでいい。
(第22章:財源の法則 P215)

マーケティング活動を継続させるには財源が必要になります。起業したばかりの会社では資金は常に問題となっていることが多いでしょう。一般的な会社の場合は、決まった年間予算の枠で対応することになる場合が多いでしょう。予算枠が決まっているために取れる手段が限られたり、1年以上の期間のかかる活動では予算の確保の仕方が問題になるかもしれません。いずれにしろ財源によりマーケティング活動に制限はかかることがあるので、マーケティング担当は財源についても自身の解決すべき問題として捉える方が良い組織もあるでしょう。

法則で書かれたことのその他考察

ポジティブな訴えに素早く移ることだ。正直であることの目的は、何も弁解をすることではない。その目的はあくまで、顧客を納得させるようなプラス面を提示することである。
(第15章:正直の法則 P161)

ネガティブな面を認めるのは、そのすぐ後のポジティブな面を強調したり効果的にするためにするのです。正直の法則を利用するときは、そこで認めるネガティブな面とポジティブな面を合わせて考えることが効果的です。

あるブランドが成功すると、会社はブランド成功の主な理由が、ブランドネームにあると思いがちである。そこで彼らはすぐさま別の商品を探してきて、それにそのブランドネームをくっつけるのだ。
(第18章:成功の法則 P185)

製品ライン拡張の背景の一つには、あるブランドの成功を主にブランド名にあると考えてしまう人がいることである。成功したブランドを作り上げた人は、そのブランド名に思い入れが強くなり客観性を失うことがあります、これだけ成功したブランド名を利用しない理由があるのかと。また、成功したブランドを引き継いだり利用できる立場の人は、新しいブランドを立ち上げる苦労より成功したブランド名を利用しようとする。
これらは顧客がどう知覚するかを考えるより、ブランド名を利用した方がマーケティング活動を行いやすいという自分たちの都合から発想したものであることが多く、結果として成功しない要因となる可能性があります。

マーケティング上の決定は、第一に、意思決定者のキャリア、第二に、競争状況ないし敵に与えるインパクトを念頭に置いて下される場合が多い。私的な配慮と公的な会社の事情との間には、抜きがたい攻めぎ合いがあるのである。
(第19章:失敗の法則 P193)

マーケティング活動を新しく始めたり変更を加えたりする場合、何らかのリスクが伴います。意思決定者や責任者のそのリスクを冒してまで、活動を決定できるかがポイントとなります。また決定することで意思決定者や責任者に利益がなければ、その決定をできないということがあります。例えば事業撤退などです。事業撤退を行う場合、それに伴う損失を計上することになります。赤字は絶対許されないと思っている責任者にとっては、撤退による損失で一時的にでも赤字になることは自身のキャリアにマイナスに働くと考えます。このため事業撤退をしても赤字にならないような、高収益のときに行われたり発表されることが多くなります。高収益になる前に撤退した方が損失が少なく済むと分かっていてもです。撤退が適切にできないとなると、新規事業の参入も足踏みしたり、調査時間を掛け過ぎて機を逸したりするでしょう。
自身の安定したキャリアはその組織の成否より優先されることがあります。意思決定者や責任者が組織にとって正しいと思える決定を行えるような、仕組み作りと組織運用が必要となるでしょう。

何事につけ、ケチりながら成功することはできないだろう。
成功するマーケッターは、常に先行投資を行なう。いいかえれば、彼らは収益をそっくりマーケティングに再投下する。このため、二、三年の間は利益を受け取らないのである。
(第22章:財源の法則 P220)

マーケティング活動は継続的な活動である場合が多く、更に先行投資が必要な場合もあります。このような場合は財源は一時的でなく、継続的に必要になります。
ただし継続することで大きな効果が得られることと、継続を止めることができないことは違います。割引キャンペーンなどのセールはその期間は良いですが、それを止めると売れなくなり、また実施しないといけない状態に陥ることがあります。広告宣伝でも同様に止めると売れなくなる状態があり、このような状態は効果的なマーケティング活動とは言えず資金の流出が続くので、見直す必要があるでしょう。

まとめ

今回は「売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則」の主に取り組む姿勢に関する法則の紹介でした。これで一通り全ての法則に触れたことになります。今後は活用事例などがあれば、紹介する予定です。

以上

【関連するリンク】

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ブログの運用状況

今回はこのブログの運用状況について、メモがてらまとめておきたいと思います。

アクセス数などの推移

今年の2月中旬から始めたブログについて、5月までの記事数とアクセス数の状況は以下になります。

年月 記事追加数 記事累積数 単月アクセス数 累計アクセス数
2018/02
10
10
40
40
2018/03
6
16
150
190
2018/04
8
24
251
441
2018/05
10
34
747
1,188

アクセスの大半はGoogle検索からです。BingやYahooといったところからもアクセスがありました。Bingはほとんど意識していなかったのですが、どうもアメリカからのアクセスで多いようです。日本では使っている人、あまりいなそうですが、アメリカだと使っている人が思ったよりいるんでしょうか。2、3月は記事数も少なかったので、ほとんどアクセスありませんでしたが、4月から1日に二桁アクセスする日が出始めて、5月に大きく増えました。ただ5月のアクセス増はGoogleアナリティクスで拾えないものもあり、謎の部分もあります。

アクセスの多かった記事

アクセスの多かった記事をいくつか紹介します。まずは、こちらAWS Certificate Manager (ACM) の記事です。
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内容としては、Google Chrome の変更に向けてのACMのSSL証明書の対応についてです。4月末に Google Chrome が要件変更するので、それに関するAWSからのお知らせメールに関しての記事になります。まだ記事数も少なく、手探りの中で書いたものです。AWSからのメールの内容をGoogle検索しても、あまり出てこなかったので、自分で調べた結果を記事にしました。メールの件名で検索すると思われるので、そのあたりも含めた記事にしておくことでどうなるかというテストでもありました。結果、この記事へのアクセスが一番多くなりました。Googleで件名で検索すると、上位に表示され多くのアクセスへつながりました。4月末に再度、AWSから同じようなメールが来たのでその前後でも多くのアクセスがありました。AWSの対応が終わったので、この記事は今後はほとんどアクセスされないでしょう。ただこの記事によりGoogle検索でアクセスが増えた結果が影響しているのか、他の記事もGoogle検索からのアクセスが多くなった気がします。

続いてはこちら
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こちらはプロジェクト管理ツールの宣伝にもなるようにと、ガントチャートについて初期に書いたものです。タイトルはGoogleで「ガントチャート」を検索していく中で、キーワードで「初めての」というのがあったの付けたものです。この記事に関しては現在も継続してアクセスがあります。ただ Search Console で見てもほとんど(not provided)となっていて、どの検索ワードで多くアクセスがあるかわからない状態です。
この記事には追加でいくつかのリンクを加えてるのですが、あまりクリックしてもらえない状況ですので、まだまだ工夫が足りないようです。

まとめ

今回はブログの運用状況についてでした。
運用状況に関しては定期的に報告していく予定です。

以上

欧州「一般データ保護規則(GDPR)」の施行後の反応

今回は2018年5月25日に施行された欧州のプライバシー法「一般データ保護規則(GDPR)」について、その施行後の反応を見てみたいと思います。

GDPRの概要

2018年5月25日に施行されたGDPR は、EU加盟国(EU加盟国及び欧州経済領域(EEA)の一部であるアイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタインを含む、以下同じ)の居住者に製品・サービスを提供する、あるいは EU加盟国 の居住者に結び付くデータを収集、分析する企業、政府機関、非営利団体、その他の組織に課せられる規則です。GDPR は所在地に関係なく適用されます。 
保護の対象となる個人データの範囲が広いこと、違反時の制裁金が高額なことが特徴で、施行により様々な反応が出てきております。

 

www.prj-alpha.biz

施行後の反応

施行後の反応を見ていくと、まず施行初日にグーグルとフェイスブック、インスタグラム、ワッツアップがオーストリアの非営利プライバシー保護団体からデータ保護監督機関などにそれぞれ苦情の申し立てがされ、その後にアップル、アマゾン、リンクトインも同じ団体から申し立てがされています。

www.itmedia.co.jp

japan.zdnet.com

このプライバシー保護団体を率いる弁護士によると、以下のような発言があります。

Facebookはポリシーに同意しないユーザーのアカウントをブロックまでした。ユーザーは同意ボタンを押すか、アカウントを削除するかのどちらかを選ばなければならず、これは自由選択とは言えない。

これは個人情報に関するポリシーに同意しなくても、利用できる状態は担保しなければならないということからくる言葉です。GDPRでは同意しなくてもサービスを利用できるようにするよう定めているからです。この申し立てが認められるとしたら、かなりの影響がありそうです。

GDPRの影響から一部はEUからアクセスできないようにする措置を取ったところもあるようです。

www.itmedia.co.jp

過剰な反応のように思えますが、GDPRの内容が解釈によって抵触する可能性があることから防衛措置として行った対応のようです。少なくとも申し立ての対象となることはなくなるでしょう。

日欧は個人情報の相互移転の合意へ

日本とEUとの間での個人情報の相互移転を認める方向で調整しています。7月に最終合意をまとめ、国内での手続きを経て、今秋までに実現する見通しとのことです。
これが合意されると欧州にもウェブサービスなどを提供している企業などは影響がありそうです。これまで欧州向けのサービスのために欧州にサーバを置いていたとしても、何か問題が発生して調査する場合には欧州に在住の人しか個人情報が絡む部分については調査ができないのではといった話がありました。これが欧州に在住してない人でも対応できる、あるいはサーバ自体が欧州になくても良いといったところまでOKとなるかもしれません。

www.sankeibiz.jp

www.jiji.com

どのような対応をするべきか

日本語だけのウェブサイトやサービスを運用していて、ほとんどの利用者が日本国内であれば、とりあえずの対応してはこちらが参考になります。

fujii-yuji.net

英語も対応しているとなると、EU向けのものという解釈も成り立つことから、ウェブサイトやサービスの運用状況から対応を検討しましょう。

今後、スタンダードになっていくか

このGDPRですが、今後世界標準となっていく可能性があります。これはフェイスブックの個人情報流出問題と関連して、フェイスブックがGDPRの対策を世界でも行っていく流れがあることからもわかります。

www.itmedia.co.jp

www.itmedia.co.jp

jp.techcrunch.com

フェイスブックがどこまで対応するかはわかりませんが、GDPRの内容がEUだけのローカルなものから世界標準になると考えられる場合、対応するかしないかではなく、どう対応するか、どこまで対応するかといった姿勢で臨む必要が出てきます。このあたりは所属する組織・会社の判断で変わってきそうです。

まとめ

今回は欧州「一般データ保護規則(GDPR)」の施行後の反応のまとめでした。

以上

【関連するリンク】

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「売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則」から学ぶ⑤ どのように失敗するか

今回はマーケティング本の名著に上げられる「売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則」を読んでの我々なりの解釈を紹介します。

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法則が示す心の中はどういうものか

本書の法則で示される全体イメージは以前提示しました。

 今回はこの左側部分のマーケティング活動はどのような失敗があるかを法則ではどのように示しているか見ていきます。主に触れる法則としては以下になります。

  • 第12章:製品ライン拡張の法則
  • 第13章:犠牲の法則
  • 第16章:一撃の法則
  • 第17章:予測不能の法則
  • 第20章:パブリシティの法則

どのようにして失敗するのか

全体イメージからすると、マーケティング活動は顧客や見込客が認知する自社の全ての活動です。自社の活動は顧客が認知してなければ何もしていないのと同じです。自社が活動してなくても情報化社会と言われる現在ではあらゆる媒体・メディアを通じて認知されることもあります。それは競合などが発することでマイナスに認知されることもあるでしょう。
このような状況下でどのような活動を行っていくのが良いでしょうか。

多くのマーケティング関係者の見るところ、成功とは見事に実施された無数の小さな努力の総体的な成果である。
彼らは数多くの戦略の中から自由に選択し、その戦略計画に多大の努力を注入しさえすれば成功できると考えているのである。
(第16章:一撃の法則 P164)

多くの場合、日々のマーケティング活動が積み重ね成果に結びつくと考えがちです。自社が自由に意思決定・選択した活動に注力し努力すれば成果に結びつくと考えてしまいます。このような考え方は注意が必要です。

マーケティングの実効を上げうる唯一の行動は、一回きりの、大胆な一撃である。さらに、いかなる状況においても、実質的な成果を上げうる作戦行動は一つしかありえない。
(第16章:一撃の法則 P165)

日々の活動はもちろん重要です。ただし自社の置かれてる状況によって、重大な成果を上げるのはただ一つの行動だと言っています。これはどいうことを指しているかというと、ナンバーワンなどの競合に対応した行動で大きな成果が得られるのは、色々な行動ではなくたった一種類の行動ということです。それは競合の弱みを突いた行動であり、自社が自由に選択した行動ではないのです。そしてその弱みを突いた行動に集中すべきと言っています。

競合のことを理解する必要がありますが、この22の法則に関しては前回までの説明の中で、ランクやフレーズについては触れてきました。これ以外にもヒントが示されています。

万事が順調であるとき、会社はパブリシティを必要としない。パブリシティを必要とするのは、たいてい困った時である。
(第20章:パブリシティの法則 P198)

歴史は、マスコミでは成功しながらマーケティングでは失敗した事例で満ち満ちている。
(第20章:パブリシティの法則 P200)

マスコミに現われる姿と実態は逆であることも多いと指摘しています。例えば各社の決算発表に対するメディアの評価などを見てみると良いかもしれません。数年前のメディアの決算評価の内容で現在の状態を正確に表しているものは少ないでしょう。
パブリシティを利用しようとするマーケティング担当者の心理を考えてみると、自社のことを正確に伝えるためではなく、実態以上に良く見せるためにしようとするので、このようなことが多くなるのが理解できます。

競合分析をした上で、自社のマーケティング活動をどのようにするか計画を立てていくわけですが、この際にも注意が必要です。

たいていのマーケティングプランにそれとなく含まれているのが、未来についての仮説である。けれども、未来予測に基づいて建てられたマーケティングプランは、たいがい失格である。
(第17章:予測不能の法則 P174)

マーケティング活動で顧客や見込客の心に働きかけるにあたって、外れるかもしれない未来予測を前提にしていると失敗の要因になります。
ただ経営戦略や中長期の計画の中には何かしらの予測があり、それに引っ張られてマーケティング活動を計画してしまうことがあるかもしれません。

優れた短期計画は、あなたの商品なり会社なりを差別化する優れた切り口、ないしは表現アイデアを提示してくれる。そのあとで一貫した長期のマーケティング目標を立て、そうした表現アイデアや切り口を最大に効果あらしめるプログラムを作ればいい。これは長期計画ではなく長期目標である。
(第17章:予測不能の法則 P176)

未来は予測不能で、それが先のことであればあるほど予測不能な範囲が広がっていきます。逆に短い期間であれば予測不能の範囲は狭くなってくることになります。業界や製品・サービスに特性により期間の長さに違いはあるでしょうが、未来に関する仮説が入りにくい短期間におけるマーケティング活動の計画を立てることが、失敗する可能性を低減させると言っています。

失敗するパターンの代表例

本書の失敗パターンの代表例が製品ラインの拡張ですと言っています。

本書の法則のうちで、断トツに破られている法則といえば、何と言っても「製品ライン拡張の法則」である。ラインの拡張は企業サイドが意識的な努力をほとんどしないでも、連続して起こるプロセスなのである。
(第12章:製品ライン拡張の法則 P120)

製品ラインの拡張は、既存のブランドを利用して新製品を導入することです。自社の扱う製品やサービスにもよりますが、色や形などの属性を変更したり、別のカテゴリーで新製品を導入するなど、色々な方法で行われます。

製品ライン拡張の方法は星の数ほど存在する。しかも新しい手法が毎日開発されている。長期的にみると、あるいは深刻な競争にさらされれば、ラインの拡張はまず効果を発揮しないといっていよい。
(第12章:製品ライン拡張の法則 P125)

長期的にみるとラインを拡張すると失敗することが多いのに、なぜ行われるのか。それは短期的には成功することがあるからです。組織や人事が変更された際には注意が必要です。短期的な結果を求めて、製品ライン拡張させてしまうことがあります。例えば、「〇〇ライト版」といったものなどは失敗する典型的な例です。これは顧客や見込客だけでなく、自社内でもライト版というように認識・浸透してしまうと上手くいかなくんるでしょう。 

拡張してしまった製品ラインが問題となっている場合、どうすれば良いか。

不振企業にとっては、製品のフルラインは贅沢というものである。もし成功を望むのであれば、製品ラインを拡げる代わりに、減らすべきである。
(第13章:犠牲の法則 P134)

製品ラインを減らした方が成功への近道で、成功するには何かを犠牲にしなければならないと言っています。製品ライン以外に犠牲にできる候補にはターゲット市場と絶えざる変更を上げています。

今日成功することを望むのであれば、あなたは何かを放棄しなければならない。犠牲にできるものとしては、三つのものが考えられる。すなわち、製品ライン、ターゲット市場、絶えざる変更の三つである。
(第13章:犠牲の法則 P134)

製品ラインを減らしたり、ターゲットを絞ったりというのは、言うのは簡単ですが中々できないのが多くの組織の実態でしょう。それまでの投資の時間や労力を考慮して決断できません。所謂サンクコスト、埋没費用のことです。
絶えざる変更の放棄とは、毎年など定期的に戦略を必ずしも変更することはないということです。これも組織によっては簡単ではありません。毎期何か新しいことをすることが使命となっている部署、ステークホルダーからのプレッシャーで何か新しいことを求められるなど、色々な要因から何かしらの変更が行われてしまうことがあります。

製品ラインの拡張は全て失敗するのか

既存のブランドを使用しての拡張は、色々行われています。拡張の例として、ライザップを考えてみます。ライザップは「結果にコミットする」をキーワードにして、ダイエット前後の姿を見せたCMで評判になりました。ライザップならば「ダイエット・肉体改造」といったサービスが「必ず成功させる」といったフレーズと結びついたと言えます。
ライザップが行った拡張は「ライザップ・ゴルフ」、「ライザップ・イングリッシュ」といったもので、「ダイエット」以外のサービスに広げ、「必ず成功させる」というフレーズを利用したものと見ることができます。
イメージとしては以下のように、強力に結びついたフレーズを他の製品でも利用したものです。

この拡張は成功するしょうか。ポイントとなるのは「必ず成功させる」というフレーズが有効に機能するかです。「ダイエット」の場合、CMで一目でその前後の姿を見せることで有無を言わさず成功したイメージを植え付けることができます。ゴルフや英会話といった技術・技能系のサービスは一目で成功したかを認識させることが難しいでしょう。特に英会話などは競合も多くいるので簡単にはいかないと予想できますが、ライザップを利用したら他では上手くいかない人も成功したといったイメージが広がれば、拡張は成功と言えるかもしれません。逆に失敗したというイメージが広がれば、既存のブランドにも影響が出てくる可能性があります。

法則で書かれたことのその他考察

多くの会社にとって、製品ラインの拡張は、安直な打開策である。新しいブランドを開発するとなれば、金がかかるだけでなくアイデアとコンセプトを必要とする。
(第12章:製品ライン拡張の法則 P131)

新しいブランドを開発するには、大きなコストがかかります。その上、必ず成功するとも限らない。それに比べると製品ラインの拡張はリスクが低く、少なくとも一時的には成功する可能性が高く見えます。短期的な結果を求めてる人にとっては、製品ラインの拡張は魅力的な選択肢に見えてしまいます。

現実には逆の事例が数多く存在するというのに、投網を大きくすれば、たくさんの顧客を捕まえられる、という信仰に近いものあるように思えてならない。
(第13章:犠牲の法則 P143)

色々なところで示されてますが、マーケティングの基本は絞り込むことです。絞り込みを変え、範囲を広げても簡単には上手くいきません。新しい範囲の顧客を掴めないだけでなく、これまでの顧客からも逃げられることもあります。競合他社がこのような動きをしてきたら、ピンチではなくチャンスなのです。

競合各社の反応を見通せないことが、マーケティングで失敗する主な理由である。
(第17章:予測不能の法則 P174)

競合は既存のものだけとは限らない。いつどこから新しい競合が出てくるかわからない状況になっている。

アメリカ企業が抱える問題点の多くは、マーケティング上の短期的考え方に関係したことではない。問題はむしろ、財務上の短期的考え方にある。
(第17章:予測不能の法則 P174)

たいていの会社は四半期毎を一区切りにしているため、その期間で結果を出すことが必要だという風に追い立てられる。これは人事の評価制度とも結びつき強力な呪縛となる。これが長期的な視点での活動を妨げることになり、間違った選択をする要因となってしまうことがある。

新聞の第一面は無視してもいい。もしあなたが未来への手がかりを模索しているなら、あとのほうに載っている月並みなベタ記事に目を通すことだ。
(第20章:パブリシティの法則 P202)

メディアの評価を見るときは過去のものに対しては参考になるが、未来の予測に関しては信用する必要はない。彼らは未来の予測を外したからといって何の責任もない。一般的な予測の一例として受け止めるのが良いでしょう。

まとめ

今回は「売れるもマーケ 当たるもマーケ マーケティング22の法則」の失敗に関連する法則の紹介でした。

以上

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初めてのガントチャートに適したサービスの提供

今回は我々が開発しているプロジェクト管理ツールProject-Alpha(プロジェクトアルファ)のガントチャートを中心にして紹介します。
※こちらの機能は2018/05時点のものとなります。最新の機能では変更されている可能性があります。

プロジェクト管理とガントチャート

プロジェクト管理・マネジメントを行う場合のツールの一つとしてガントチャートを利用していることが良くあります。ガントチャートは視覚的にある程度の進捗状況がわかることから、複数人で確認が必要な場合に利用される場面が多いと思います。世の中には色々なガントチャート作成ツールが存在しています。

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ツールはいくつもありますが、見かけるケースが多いのはExcelで作成したのものです。特にビジネス領域ではExcelは誰でも利用できることが多いことから、取引先やお客様など外部組織のメンバーと共有する場合、Excelで作成したものや専用ツールから出力したExcelが使用されることが多いです。

Excelで作成している人や初めての人でもガントチャートでも簡単に

Excelのガントチャートを利用していることが多いことを踏まえ、我々が提供するサービスでは、現在はExcelでガントチャートを作成している人や初めてガントチャートを作成する人が簡単に使えるようなガントチャートの機能を提供しています。

Excelとの親和性

ガントチャートの入力はExcelと同じように一覧表にそのまま入力する形式になっています。日付についてはカレンダーから選択して設定することも可能です。

また、マウス操作で日付を設定することもできるようになっています。

ここまでは入力画面から一つ一つ入力していく方法ですが、Excelのデータがあればそれを利用することも可能です。Excelで作成したWBSなどをExcel上でコピーした範囲をガントチャート上でペーストすることができます。
以下では、ID列を含めたExcelからのコピペの例です。ID列の設定内容から自動で階層を判定してガントチャートが作成されます。

また登録したガントチャートはExcelとして出力することもできます。以下は出力したファイルの例です。

取引先やお客様など外部組織のメンバーと共有したい場合、Project-Alpha上で情報共有することもできますし、それができない場合はExcelに出力したファイルを利用することで共有することができます。Excelファイルを修正した場合はコピペで修正内容をProject-Alphaのガントチャートに反映させることができるので簡単です。

テンプレート利用でガントチャートをすぐに準備

Project-Alphaを利用で、特に力を発揮するのは同じようなプロジェクトをいくつも担当している場合です。このようなプロジェクトがある場合はテンプレート機能を利用して、ガントチャートを作成する際の元データを用意しておくことで準備することができます。

テンプレートを用意していおくことで、ガントチャートの編集画面から読み込むことができるようになります。以下は上記のテンプレートのデータを読み込んだときのイメージになります。

読み込んだデータは、テンプレートの設定になるので予定などの日付を変更する必要があります。このとき日付一括変更の機能を利用することで、日付の情報を簡単に修正することができます。

これによりガントチャートの準備が簡単にできます。ここからそのプロジェクトに応じて必要な調整を加えるだけで良いので、ガントチャートの作成に余計な時間をかけずに済むことができます。

利用に向いていないプロジェクト

ここまで紹介したように、Project-Alphaのガントチャート機能は直接入力していくことで作成していくタイプのものとなります。このような直接入力するタイプの場合、行数が多くなり過ぎるような細かい管理には向きません。厳密な管理が必要になりそうなプロジェクトの場合は別のツールを併用する方が良いと思われます。

また現在は簡単にガントチャートを作成できるための機能の拡充をめざしているため必要な機能がないと感じる人もいると思います。例えばクリティカルパスの設定は現在できません。

現在、β版としてフリー(無料)でサービスを提供しています。以下のリンクから、右上の「アカウント作成」か途中にある「β版を始める」のボタンからアカウントを作成していただくことができますので、ぜひご利用下さい。
home.prj-alpha.biz

まとめ

今回は我々が開発しているプロジェクト管理ツールProject-Alphaの紹介でした。β版としてフリー(無料)でサービスを提供していますので、ぜひご利用下さい。

以上

【関連するリンク】

 

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開発・提供しているサービスのガントチャートの機能紹介~その2

今回は我々が開発しているプロジェクト管理ツールProject-Alpha(プロジェクトアルファ)のガントチャートについて一部の機能を紹介します。
Project-Alphaは無料、フリーで利用できるプロジェクト管理ツールでガントチャートなどを利用して、複数のプロジェクトを平行して管理でき、一括して状況を把握することができます。

※こちらの機能は2018/05時点のものとなります。最新の機能では変更されている可能性があります。

以下は機能プレビューのリンクになります。

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ガントチャートの一括編集機能

日数や日付を指定しての一括変更

ガントチャートに設定されている日付について、一括して変更することが可能です。変更の方法は表示開始日付を指定して変更する方法と日数を指定して変更する方法があります。

日数を指定しての変更画面はこちらです。日数にはマイナスを指定して、過去に移動することもできます。

表示開始日付を指定しての変更画面はこちらです。

ガントチャートのテンプレート管理機能 

ガントチャートの設定をテンプレートとして管理する機能があります。テンプレートとして保存したガントチャートのスケジュール設定について、読み込むことで一気にスケジュール設定を準備することができます。
テンプレートは複数利用でき、各テンプレートごとに公開設定がありますので、公開しているもののみ使用できガントチャートから選択可能となります。

テンプレートのガントチャートの入力方法は通常のガントチャートと同じです。

ガントチャートのメニューからテンプレートのデータを読込むことで、簡単にスケジュールの準備ができます。またデータを読込後に日数や日付を指定しての一括変更を行えば簡単に準備ができることになります。

マイルストーン設定とサマリ表

マイルストーンとして設定することで、いくつかの表示が変更されます。マイルストーンの設定方法は行選択した状態で右クリックして「マイルストーン設定」を押すことで設定されることになります。

カレンダー上での日付の列が着色されます。

このマイルストーンの設定はサマリ表でも影響します。

サマリ表機能

ガントチャートは一覧表形式なので行数が多くなり画面のスクロールが必要な程となると、どうしても見づらくなります。これらをまとめて表示するサマリ図の機能がありあます。表示する階層ごとにまとめて表示することや、階層や担当ごとに別けて表示することが可能です。
またマイルストーンについては縦の棒線として表現されます。

まとめ

今回はProject-Alphaのガントチャートについて一部の機能を紹介しました。
ご興味のある方はぜひ一度ご利用してみ下さい。β版としてフリー(無料)でサービスを提供していますので、ぜひご利用下さい。

以上

【関連するリンク】

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Laravelのセッション管理にAWSのElastiCacheを利用する際の方針検討

AWSのElastiCacheを自製品サービスで利用する際に、検討する内容について記載します。

使用用途など

Laravelを利用したプロジェクト管理ツールを開発しています。Laravelではそのセッション管理にRedisを使用可能です。このRedisをAWSのElastiCacheで対応します。
Laravelで利用する場合の対応手順などは以下を参照して下さい。

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Laravelのセッション機能では、色々な情報をセッションに保有することも可能になっていますが、現時点ではそのような利用の仕方はあまりしていません。主にサインインしているか、してないかが主な利用用途となっています。セッション情報が失われた場合、再度サインインが必要になるという影響があります。

セッション数やのサイズなど

ElastiCacheのモニタを確認し、セッション1つ当りのサイズを1kとして仮定した。サービス開始時の接続セッション数は cache.t2.micro でもキャパシティは問題ないものとする。

サービスの運用開始後にセッション数やサイズの状況を確認し、必要に応じてスケールアップする。

構成を検討する際に関連する各種機能の概要

キャッシュノードタイプは cache.t2.micro でも問題ないものと仮定するが、t2では利用できない機能がある。また課金はノードの数となるため、レプリカノード数やシャード数により増えていくので注意する。
またプリイマリーノードのアベイラビリティーゾーン(以下、AZ)はEC2(EC2が1台の場合)と同じにする。

同じアベイラビリティーゾーン内での Amazon EC2 と Amazon ElastiCache 間のデータ転送は無料です。

料金 - Amazon ElastiCache(キャッシュ管理・操作)| AWS

レプリケーション

ElastiCache クラスターの作成をする際に、読み書きするノード(以下、プライマリノード)とは別に1~5個の読み取り専用ノード(以下、レプリカノード)を作成しクラスターとして構成することができます。レプリカノードはAWSのドキュメントではリードレプリカ、セカンダリレプリカと記載されています。
クラスターとして構成すると、プライマリノードにデータが書き込まれると、変更が非同期的に全てのレプリカノードに反映されるように動作します。

シャード

シャードとはデータをグループ別けてして分割管理すること。水平分割と呼ばれます。

簡略化したイメージで説明します。現在、1GBの容量でデータを管理しているとし、更に1GBのデータ容量を追加して管理する必要がある場合を考えると、以下の方法があります。

  • ①2GBをまとめて管理する
  • ②1GBを2つ管理する

 ①も②もデータの内容は同じですが、管理の方法が違います。②は2つの領域で管理することになり、この領域をシャードと言います。この場合、2つのシャードで管理しており、シャード数2となります。このシャード毎にノードが存在することになります。①は1つの領域なので、シャード数1という言い方もできます。

②の場合、新しいデータが登録されるとどちらかのシャードに振り分けて登録されます。参照する場合はこの振り分けた情報を元に参照先のシャードを特定してアクセスします。①に比べ、②の場合は登録・参照の間に1アクション多いことになりますが、読み取り・書き込みは複数のノードに負荷が分散されることになります。

自動フェイルオーバを備えたマルチAZ

ノード障害を自動検知し、障害ノードを新しいノードを自動で置き換えることができる機能。
プライマリノードに障害が発生した場合、レプリカノードをプライマリノードに昇格させ、プライマリノードと置き換える。このときプライマリノードのエンドポイントの変更が必要ありません。レプリカノードに障害が発生した場合、ノードと新しいノードを置き換える。

マルチAZにするため、作成する際のサブネットグループは複数のAZにしておく。レプリカノードも同一AZにした場合、AZ全体で障害が発生した場合に対応できない。

クラスターモード

作成する際のクラスターモードの有無により機能の特徴がある。大きい機能差はシャードの設定の可否となります。クラスターモードは後から有無を変更することはできない。

クラスターモード無効の特徴

  • シャードの設定ができない。
  • レプリカの追加、削除ができる。
  • ノードタイプのスケールアップができる。スケールダウンはできないので、その場合は新しくクラスタを作る必要がある。
  • 自動フェイルオーバーを備えたマルチAZは、t2ノードタイプでは未対応となる。

クラスターモード有効の特徴

  • シャードの設定ができる。
  • レプリカの追加、削除ができない。
  • ノードタイプの変更ができない。容量が足りない場合、ノードのスケールアップではなく、シャードの追加で対応することはできる。シャードは最大15個まで増やせる。
  • 自動フェイルオーバーを備えたマルチAZが必須となる。マルチAZにするため、レプリカを1以上にする必要があるが、0としても作成することができてしまう。ただしレプリカがないとフェイルオーバーは対応できない。
  • シャードが複数か、レプリカが1以上の場合、Laravelのクラスターモードとして設定する必要がある

構成の設定方針について

使用用途でも記載したが、今回の用途はLaravelのセッション管理です。また ノードタイプは cache.t2.micro でもキャパシティは問題ないものとします。
障害によりデータが消失した場合、サインインした状態が失われ再度サインインする必要があります。障害によりデータにアクセスできない場合、製品サービスは完全に利用できない状態となってしまいます。つまりサービス停止状態です。

今回の基本方針はサービス停止状態を極力避けるため、自動フェイルオーバを備えたマルチAZの機能を有効にする設定をベースにして考えていきます。

自動フェイルオーバを備えたマルチAZとその他の設定

自動フェイルオーバーを備えたマルチAZを利用するためには、以下の設定が必要になります。

  • レプリカノードが1つは必要となる。
  • クラスターモード無効の場合、t2ノードタイプは未対応なのでそれ以外のノードタイプを選択する必要がある。

コスト面から cache.t2.micro を選択したいが、クラスターモード無効の場合は選択できないのでクラスターモード有効で設定を行う。この他にマルチAZなどを考慮すると今回は次のような設定をする方針となる。

ElastiCacheの設定方針

  • クラスターモード有効で設定する。自ずと自動フェイルオーバーを備えたマルチAZを利用することとなる。
  • ノードタイプは cache.t2.micro とする。
  • シャード数は1、レプリカ数は1とする。(ノード数は2となる。)
  • サブネットグループは複数のAZを利用できるようにし、プライマリノードはEC2と同じAZ、レプリカノードは別のAZにする。
  • バックアップは不要とする。

運用開始後に cache.t2.micro で収まらない場合はサービス停止期間を設けてクラスターを作り直して対応することとなる。セッション数やサイズをモニタリングしながら、必要に応じて検討する。Laravelのセッション継続時間の設定で微調整は可能。

まとめ

今回はElastiCacheについて自製品サービスで利用する際の設定方針でした。

以上

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